
2006−07シーズンから3年間、毎年1作品を現代作曲家に委嘱することを決めたそうです。これは音楽監督のアルミンクさんが今期の契約を更新するときに示した強い意向を受けてとのこと。
今回は、その第1回目となったわけです。
現代曲にしては聞きやすい、いい曲でした。叙情的な側面もあって、この曲、私は好きです。
エルガーのチェロ協奏曲も気持ちよく聴けました。全体的に演目が地味に見えますが、バランスの良い、楽しい演奏会でした。
新日本フィルハーモニー交響楽団・トリフォニー・シリーズ
第418回定期演奏会
ジャノウ 新日本フィル委嘱作品(世界初演)
「聴け、神秘なる季節へと誘惑する風を」(2007)
Hark,the seductive wind of the mystic season(2007)
エルガー チェロ協奏曲 ホ短調op.85
<アンコール> ヴァスクス チェロのための「本」より
ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調 op.60
指 揮 クリスティアン・アルミンク
チェロ ソル・ガベッタ
会 場 すみだトリフォニーホール (2007年7月27日、28日)
アタナシア・ジャノウ(1971〜)ギリシャ・アテネ生まれ。
プレトークで、ジャノウさんが「日常生活で感じるものを風に例えた」というような趣旨のことを言っていました。(通訳さんの日本語が分かりづらくて・・・不正確かも・笑)
この曲のポイントは、クラリネットとティンパニが風を模写し、弦が大きく抑揚をつけているところ。心地よい風から嵐のような風まで、色々な様相を表してくれます。
面白かった。
フルート3、オーボエ3、クラリネット3、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、ティンパニ、弦楽5部。大きな構成です。ステージ上が狭く見えました。
エドワード・ウィリアム・エルガー(Sir Edward William Elgar 1857〜1934)、イギリスの作曲家・指揮者。
ヴァイオリン曲「愛のあいさつ」、行進曲「威風堂々」などが有名ですね。
このエルガーのチェロ協奏曲は、「女性奏者に限る」というジンクスがある楽曲としても名高いそうです。ジャクリーヌ・デュ・プレの十八番として著名な作品だったからでしょうか?
ソロのソル・ガベッタさんは、アルゼンチン・コルドバでロシア系フランス人の家庭に生まれ、現在、欧米で好評を博している新進のチェロ奏者。優しくも力強い演奏を聴かせてくれました。1981年生まれだそうです・・・若いですねw。
アンコール曲のヴァスクス(バスクス)「チェロのための「本」より」は初めて聴く曲でした。奏者が声で旋律をなぞっていたのも珍しかった。浄化されていくような旋律が特徴的でした。
ペーテリス・ヴァスクス(Peteris Vasks 1946〜)、ラトヴィア人作曲家。
ベートーヴェン交響曲第4番。シューマンが、第3番《英雄》と第5番《運命》という“ふたりの北欧神話の巨人に挟まれたギリシャの乙女”と評した作品だそうです。
アルミンクさんは、テンポと“ため”に工夫をしていて、ベートーヴェンらしいカチッとした構成と相まって楽しめました。
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