150131 sansaku rogo T.jpg散策しているような日常のなかで、素晴らしいものが見つけられたらうれしい。
そんなことを考えながらブログを書いています。

2007年09月25日

J.シュトラウスU「こうもり」 新日本フィル420回定期演奏会


070921 NJP420.jpg新日本フィルの2007−2008シーズンが始まりました。
今シーズンのテーマは『RESISTANCE -抵抗-』。
昨シーズンは『誘惑』、それに続く『抵抗』とはどんな色合いになるのか楽しみ。
音楽監督のアルミンクさんは『抵抗』について、グスタフ・マーラーの芸術的反発、ベートーヴェンのカトリック教会への疑問、ナチスやスターリン政権に対する抵抗からの作品創作をあげ、テーマを紹介していました。

新日本フィル定期演奏会トリフォニー・シリーズの幕開けは、シュトラウスU喜歌劇「こうもり」です。
「サロメ」「レオノーレ」「火刑台上のジャンヌ・ダルク」「ローエングリン」と続いたコンサート・オペラ形式も好評。簡易な舞台ですが、演出、衣装、舞台設定などの工夫で十分に楽しめるオペラになっています。

凄く楽しみにしていました。

実を言いますと、開演後すぐに私の頭は混乱しました。
音楽もシッカリ聴きたかった私には、戸惑う演出。面白かったのんですよ、必要以上に(?)。
演劇的要素が強すぎて、観客のリアクションもミュージカル劇場にいるような感じになっていた。(フライング拍手常套)
オケの服装は、男性がスーツに派手なネクタイ、女性は綺麗なドレス。華やかです。
歌手たちも分かりやすい、些か大げさな演技をしていました。途中でマイクを使って実況中継風に演じてみたり、指揮者も巻き込んでみたり。
第3幕のはじめには、テレビモニターを持ち込み映像を見せてくれた。そして、オーストリア人と日本人の違いをコントにしていた。
途中からこういうオペラもありかな? と近くにいた女性のキャハキャハ笑う声(最初から最後まで笑ってた、ある意味凄い人だ)を聞きながら自分に言い聞かせていました。
オーストリアのではなく、日本の「こうもり」を意識したのかもしれません。日本語も使ってましたからねw。
アルフレードが「椿姫」の『乾杯の歌』を歌いだしたときは、私も思わず笑ってしまった。
進むにつれ、慣れてきて十分楽しめました。

楽しい舞台でしたし、オケも素晴らしかった。音の豊かさも秀逸。
バランスも良かったと思います。弦が大人しかったのはオペラ形式だったからでしょう。

キャストも良かった。外国人たちが素晴らしかったし、特筆すべきは松田奈緒美と加納悦子のその外国人キャストに引けを取らぬ歌いぶり。聴かせてくれました。

2時間半超の公演、シュトラウス2世のワルツを存分に聴けて、満足満足。


新日本フィルハーモニー交響楽団・トリフォニー・シリーズ
第420回定期演奏会

ヨハン・シュトラウスU 喜歌劇「こうもり」(コンサート・オペラ形式)

<挿入曲>
  ヴェルデイ  歌劇「椿姫」より 『乾杯の歌』
  リーム    「憧れのワルツ」

指 揮   クリスティアン・アルミンク
演 出   三浦安浩
キャスト
  アイゼンシュタイン ・・・ ヘルベルト・リッペルト
  ロザリンデ ・・・・・・・・・ ベッティーナ・イェンセン
  フランク ・・・・・・・・・・・ キュウ ウォン ハン
  オルロフスキー公爵 ・・・ 加納悦子
  アルフレード ・・・・・・・・ カルステン・ジュス
  ファルケ博士 ・・・・・・・・ 高田智宏
  ブリント博士 ・・・・・・・・・ 萩原潤
  アデーレ ・・・・・・・・・・・ 松田奈緒美
  イーダ ・・・・・・・・・・・・・ 星川美保子
  フロッシュ ・・・・・・・・・・ ゲルハルト・エルンスト
合 唱   栗友会合唱団
ダンサー  不動まゆう  奥田麻衣
会 場   すみだトリフォニーホール (2007年9月21日、23日)



アルミンクさんと演出の三浦安浩さんによるプレトークがありました。
この"復讐譚"という言葉がつくシュトラウスUの喜歌劇「こうもり」の解説もしてくれました。アイゼンシュタインのおかげでファルケが笑いものにされた、その復讐の物語を喜歌劇にしている、云々。
あと、アルミンクさんの三浦さんへの質問で、喜劇ということで楽しくしたいが音楽の厚みがなくなるのは困る、こういう配慮は演出としてもあったのか? という趣旨のものがありました。答えはそういう配慮はともかく「楽しく稽古をしていました」とのこと。この質問を後になって思い出し、アルミンクさんも演出に思うところがあったのかと・・・考えすぎかな?(笑)


ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II  1825〜1899) オーストリアのウィーンの作曲家、指揮者、ヴァイオリニスト。ヨハン・シュトラウス1世の長男。
ウィンナワルツを数多く作曲、「ワルツ王」といわれる。

「こうもり」(Die Fledermaus)は、1874年に初演されたヨハン・シュトラウス2世の代表的オペラ。
物語が大晦日の晩のことからか、ウィーンなど多くのドイツ語圏都市で大晦日恒例のプログラムになっている。
欧州では馴染み深いオペラなのだそうです。




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