まえに、
こんなこと 妄言、建築家さまへ や
こんなこと 建築確認ってなによ? を書きました。
果たして、建築基準法が改正されています。
その耐震強度偽装事件の教訓をもとに改正された建築基準法が6月20日から施行されました。
改正前に駆け込み着工があったか否かはよく分かりませんが、施行後は住宅着工件数が激減しているそうです。
9月の新設住宅着工戸数が前年同月比44%減という国交省の発表に、経済動向に敏感な方々が“景気への影響が心配だ”と騒いでおられます。
法はできても、肝心の施行するに当たっての詳細が定まらず、なにも進められない現場では困惑しているようです。
建築基準法の改正に伴うドタバタは、今回始まったものではありません。
国の建築指導課の専門官が変わると、その官僚様の実績作りのためもあり、法改正が行われてきました。
それゆえ、数年後ごとの周期で(人事異動ごとに)改正があったわけです。
なかには、無理に改正したものもあって、運用に困るものもあったようです。
例えば、地下の居室(居間や寝室など)を認め、その一部分の容積緩和(床面積をカウントしない)をしたときは、明らかに机上の理論だけで構成されていて実証がいい加減、実態と齟齬する実例が少なからずあって首をかしげることになりました。まあ、当時は法令を見れば予測がついたこともあって、現場では慌てていなかったようですが。
これらの改正は、限られた時間で行いますので足りない部分は世の常として、末端にしわ寄せが来ます。
実務的なことを国に問い合わせても「建築主事(建築確認をする人)に聞いてください」と言われ、役所の建築主事さんに聞くと「国から何の資料もきてないので私たちも分からない」と言われる。仕方ないので、役所と相談しながら見切り発車していくことになる。リスクはこういう形で取らされてしまうわけですよ。
今回の改正では、確認・検査の厳格化を柱にしているので融通が利かなくなっているようです。
民間の確認検査機関は事業として業務を行っています。
設計変更などがあると、構造関係などは変更部分に限らず全てに目を通さなければ担保ができない。
その理由からかは分かりませんが、設計変更=建築確認の取り直しという規定になっているようです。審査が初めからやり直しなら、当然、新規と同じ金額を払ってね、ということなのかしら。
増改築についても、非常に厳しい内容になっています。悪質なリフォーム業者が闊歩し過ぎたのでしょう。
また、偽装問題をめぐる議論で、新耐震基準以前の建物のことも遡上した影響かもしれません。
また、構造計算の審査目的で天下り先になりそうな機関を作ったようです。こういうところに抜け目はありません。
総花的、八方美人的なことをやると、どこかに無理が出ます。
長期的には官僚集団、ゼネコン、デベロッパーに有益なことになっても、庶民の知らないところで住宅価格に跳ね返っていることになるのでは?
また、複雑化することで責任の所在が分からなくなってるのも、庶民には不安ですよね。
本来、設計は建築家に責務があります。問題は、経営的に賠償能力がないこと。力関係でも、発注者であるデベロッパーに圧力はかけられても、跳ね返す術がない。
それでは、国が補償するのか? 税金を使うわけには行きません。
民間の確認検査機関に賠償能力を求めたりもしていますが、どうも、そのへんは上手くやられてしまっているようです。
え〜〜と、改正の目的って、何でしたっけ???
以上、根拠のない、無責任な妄言でしたw。