150131 sansaku rogo T.jpg散策しているような日常のなかで、素晴らしいものが見つけられたらうれしい。
そんなことを考えながらブログを書いています。

2007年11月29日

トム・プロジェクト「僕と彼と娘のいる場所」


071126 boku to kare to musume.jpg鄭義信さんの新作です。
喜劇だと思っていたのですが、見ているうちにそうでもないことが分かって少し驚きました。

トム・プロジェクト・鄭義信コンビだと、「カラフト伯父さん」を思い出します。
あのお芝居も男2人、女1人の3人芝居でした。
表面上は明るく見えても、その内側は重い荷物を背負っているところも似ています。

面白いお芝居でした。
ただ、この主題(ネタバレになるの後述)で新作と言うのが気になりましたが。


トム・プロジェクト プロデュース公演
「僕と彼と娘のいる場所」
作・演出   鄭義信
出  演
  夏海 ・・・・・・・ 須藤理彩
  悟 ・・・・・・・・・ 和田聰宏
  誠二 ・・・・・・・ 石丸謙二郎
会  場   紀伊國屋ホール(2007年11月21日〜29日)
 千葉 袖ヶ浦市民会館 (12月2日)
 栃木 栃木県総合文化センター (12月5日)
 岡山 津山文化センター (12月11日)
 愛媛 松山市民会館 (12月12日)
 大分 iichiko総合文化センター (12月14日)
 愛知 田原市田原文化会館 (12月16日)
 三重 松阪市嬉野ふるさと会館 (12月18日)


<以下、ネタバレあります。ご注意を!>
ものがたり
和歌山にある街。
誠二は廃館となる映画館の後片付けをしている。親から引き継いだ映画館を閉めることにしたのだ。
娘の夏海も手伝っている。夏海は夫と喧嘩別れをして東京から帰ってきたらしい。
そこに夫の悟が現れる。復縁をしたい悟は夏海を説得しようとするが思うように行かない。
夏海は学校を卒業して東京に行ってから殆ど帰省していなかった。何かわだかまりがあるようだ。
あるとき、父娘が“彼”といっている人物のことで言い争いをする。映画館を閉める日と“彼”に関わる特別な日が同日らしい。
その“彼”という存在が気になった悟は、“彼”について夏海に尋ねるのだが・・・・・・

きぐるみを着た誠二が出てくるところから始まります。3人とも分かりやすいキャラクターで軽妙な喜劇です。
しかし、“彼”がイジメで自殺した息子だと分かるところから舞台上が一転しました。
警察や学校からは相手にされず、民事訴訟を起こすと心無い町の人から中傷された過去を持っている。しかし、心に傷を持ちながらも、この街で暮らしていこうとする誠二の決意が話の柱になっています。

イジメの話になったとき、新作でこの主題を持ってくる意味が良く分からなかった。しかし、言い続ける必要がある主題でもあります。
作者があえてイジメと家族のことをお芝居にしたことの勇気に拍手を贈るべきなのでしょう。

和田聰宏さん演じる悟は難しい役どころでしたが、気は良いけれど軽薄で胡乱なようすが上手く伝わってきて秀逸。面白かったです。

須藤理彩さんも気の強い女性を女性らしく演じておられた。

石丸謙二郎さんは、きぐるみから始まって女装まで、まあ、色々とやっておられたw。凄いなぁ。
ベテランらしい演技に大拍手です。


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