
去年と同じく新日本フィルの『第九』。
前半は、パイプオルガンの独奏。2曲で約15分だったけれど、これほどキッチリとしたパイプオルガンの独奏って、初めて聴きました。貴重な体験。
休憩後に、メインの『第九』。
指揮はオーストリア人のハインリヒ・シフさん。チェリストから指揮者に活動の幅を拡げた方です。
オペラのタクトも振っているとのことでしたので、どのような『第九』になるのかと思っていました。
シフさんの音は、厚みを持たせながらも先端的でテンポが良い。こういうのは大好きです。
特に第3楽章は美しかった。キラキラと天使が降りてきました。
そして、第4楽章。毎年のことですが、バリトンが「O Freunde, nicht diese Töne!」(ああ友よ、そんな調べではだめなのだ!)と歌いだすと、なぜか背筋が伸びてしまう(笑)。私は、第九の合唱はバリトンが核だと思っています、勝手ながらw。今回のバリトン、アンドレアス・シュミットさんは良かった。シフさんの意図をよく理解しているのだと思います。
4人のソリストとオケが上手くバランスを取っていました。
残念なのは、合唱が勝ちすぎた印象があったこと。それほど気になるものではありませんが・・・。
アンコールが面白かった。
「クリスマスにちなんで」というようなことを言ってから、4人のソリストが無伴奏で歌ってくれました。曲は『Es ist ein Ros entsprungen』。英語訳だと『Lo, How a Rose E'er Blooming』。日本語では、讃美歌『エサイの根より』というのかな? ドイツ版のクリスマスキャロルみたいなものかしら。
大変、綺麗に歌ってくれました。
アンコールの2曲目は、シフさんのチェロ演奏でした。
急にオケのチェロ奏者から楽器を借りて演奏してくれました。サプライズですね。急遽、ビオラパートの方々が後にさがってスペースを作ってましたから。
オケのメンバーも面白がっていたw。
チェロのナイーブな音を聞けて得した気分です。
私にとって今年のコンサートは、この『第九』が最後。
来年も癒されたり、感動したりしたいなぁ。
新日本フィルハーモニー交響楽団
2007年『第九』特別演奏会
ゲーゼ : 「ちからの主をほめたたえよ」による祝典前奏曲
クロムプ : コラール変奏曲「きよしこの夜」
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ベートーヴェン : 交響曲第9番ニ短調「合唱つき」op.125
<アンコール>
(賛美歌) : Es ist ein Ros entsprungen
J.S.バッハ : 無伴奏のチェロ組曲第1番から
指 揮 ハインリヒ・シフ
ソプラノ 中嶋彰子
アルト カロリン・マズア
テノール シュテファン・リューガマー
バリトン アンドレアス・シュミット
オルガン 小林英之
合 唱 栗友会合唱団
会 場 すみだトリフォニーホール (2007年12月24日)
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