
先週の初日に行ってきました。(アップが遅いよねw)
主宰する『劇団、本谷有希子』以外では初めての作・演出。出前(?)公演なので、いつもより多少ソフトになっていたかなw。
でも、十分に本谷さんらしいお芝居でした。パンフには、「本谷は永作に変態を演らせたいらしい」とありました。まあ、そんなことは・・・あるかな?(笑)
楽しめるお芝居でした。オススメですw。
パルコ・プロデュース公演
「幸せ最高ありがとうマジで!」
作・演出 本谷有希子
出 演
明里 ・・・・・・・ 永作博美
曽根慎太郎 ・・・・ 梶原善
曽根美十理 ・・・・ 広岡由里子
曽根功一 ・・・・・ 近藤公園
曽根紗登子 ・・・・ 前田亜季
山里えいみ ・・・・ 吉本菜穂子
会 場 PARCO劇場 (2008年10月21日〜11月9日)
倉敷公演 倉敷市芸文館ホール 2008年11月19日
大阪公演 シアター・ドラマシティ 2008年11月21日(金)〜11月22日
<以下、ネタバレあります。ご注意を!>
ものがたり
地方都市の新聞販売所。
父親の慎太郎は留守だが、母親の美十理(みどり)と息子の功一、娘の紗登子が新聞の整理をしている。
そこに怪しげな女・明里(あかり)が現れる。彼女は慎太郎の愛人だいう。
愛人の出現に、なぜか美十理は淡々としている。それに苛立つ明里は美十理を攻め立て、家に入り込もうとするが、家族は断固阻止する。
住み込みバイト・えいみは、締め出された明里を敷地内にある自分の部屋に連れて行く。
えいみは、慎太郎に乱暴を受け、それ以来、愛人になっているのだと明里に打ち明ける。
そこで、明里は復讐すべく、思案を巡らせていくのだが・・・・・・
明里は、“たまたま目に入った家に飛び込んで、「愛人です」と奥さんらしき人に言うのが好き”らしい。無差別に不幸をもたらす訳です。
理由なんてない。ただ、自分の存在確認をしたいだけ。
とんでもない女です。
入り込まれた新聞販売店の曽根家族も普通ではありません。
新聞販売所の主の慎太郎は女性にだらしない男で、店は強引な勧誘、集金で経営を維持している。
美十理は後妻(結婚4度目)で、慎太郎が従業員補充のために結婚したことを知っているが、それを許している。
功一は前妻の息子で、努力が報われないダメな男。義妹・紗登子に恋慕を持っている。
紗登子は美十理の連れ子。ダンサーを目指したいる。この家族から抜けたいらしい。
とんでもない女が、暗い心を持っている壊れかけた家族たちに、理由なき悪意を持って追い詰めていこうとするわけです。
明里は、えいみと慎太郎の不倫関係をネタに揺さぶりをかけていく。しかし、妻の美十理は2人のことを知っていて、長い間、許していたこと、そこには彼女の強い心情があることを見せる。屈しません。
息子は逃避したくて暴走し、娘は呆れる。
居た堪れない慎太郎は、オロオロする・・・
ちょっと、怖いですね。
でも、笑えるんですよ。その怖さも滑稽に見せてくれるから。
そして、それでも「幸せ最高ありがとうマジで!」と明里に言わせるところが・・・凄いわ。
本谷さんの作らしい、人間の強い自意識と捩れた精神を観せてくれるお芝居でしたww。
面白かった。
前売は完売らしいのですが、当日券(ぴあで電話予約)もあるそうですよ。
『劇団、本谷有希子』の本公演も、来年、やるらしい。また、観に行きたいと思います。