
原作品は、劇中劇の形を借りて当時の世相を映し出している傑作ですね。作者の願望も伺えます。
今回の公演では現代風の台詞と演出になっています。見やすくて良いのですが、チョット拍子抜けした感アリw。まあ、フランス語で上演するわけではないので当り前ですがね。
とにかく、古いお芝居ですが気楽に観られるようになっています。こういう工夫は、大事なのかもしれませんねw。
原作を大きく変えず、笑わせる工夫もあって、面白かったです。
照明や舞台装置なども、黒を基調とした舞台にあわせて効果的に演出されていました。上手いです。
久しぶりに新国立らしい演劇を見ることができて良かった。
「舞台は夢」
イリュージョン・コミック
作 ピエール・コルネイユ
翻 訳 伊藤洋
演 出 鵜山仁
出 演
クランドール ・・・・・・・・ 堤真一
イザベル ・・・・・・・・・・ 秋山菜津子
リーズ ・・・・・・・・・・・ 高田聖子
ロジーヌ ・・・・・・・・・・ 田島令子
ドラント/ジェロント ・・・・ 磯部勉
プリダマン ・・・・・・・・・ 金内喜久夫
アルカンドル/マタモール ・・ 段田安則
ほか
会 場 新国立劇場 中劇場 (2008年12月3日〜23日)
<以下、ネタバレあります。ご注意を!>
ものがたり
フランスはトゥーレーヌ地方。行方のわからぬ息子の安否を気に病む父親プリダマンは友人ドラントとともに洞窟に棲む魔術師アルカンドルのもとを訪れる。二人は「ご子息がいかに偉大な人物となったかを見せて差し上げよう」という魔術師にいざなわれ、息子の人生の有為転変に、まるで「観客」のように立ち会うこととなった。次々と息子の身の上に起こる波瀾万丈の果てに最後に行き着いたのは、愛しい息子の非業の死という悲劇的結末。絶望し、自らの命を絶つと口走る父親に、魔術師アルカンドルが明かしてみせた秘密……。幾重にも重なった複雑な「劇」のその先に、思いもかけない世界が立ち現れる。
(新国立劇場HPから引用しました)
客席は10列目からになっていました。いつもは客席になっている部分に舞台を設置、その後ろ側にも客席があります。中劇場の扇形の客席と後方の客席に挟まれて舞台がある構成です。
物語は、最後に思わぬ展開として“実は・・・”という部分があるものの、単純に出来ています。(上記に引用した『幾重にも重なった複雑な「劇」』というのは、“古典にしては”という前提で考えた方が良いと思う)
秋山菜津子さんが熱演していました。素晴らしかったです。
イザベルの夫・クランドール演じる堤真一さんが「恋人と妻は違う・・・・・・都合の良い女は妻に」というようなことを言われたときの演技も目を惹かれました。秋山さん、GOODです。
チケットの売れ行きも良いそうです。まだ、日によっては席があるそうなので、興味のある方は初台まで行かれてはいかがでしょうか。