
良い芝居だというので、見てきました。(映画の「転校生」ではありませんw)
15年前に書かれた戯曲です。
1年前に、この21人の女子高校生のための戯曲をSPAC-静岡県舞台芸術センターが製作するにあたり、静岡県全域の高校へ出演者を募集、オーディションで選ばれた現役の女子高校生たちが出演しています。
ものがたりは、
ある高校の教室に転校生が現れる。転校生の出現が切っ掛けとなり、繰り返される日常に隠された人間の危うさが見えてくる・・・・・・というような内容。
どんな転校生なのかは、ネタバレが甚だしいので書きませんが、人生の遷り変わりとか、終焉だとかを表現するために登場させる人物になっています。(つまり、お年寄り。10代の女の子の集団にお年寄りの女性を転校生として入り込ませた。これは演出家の発想のようです。)
見ていて、ニーチェでもケルケゴールでもなく、サルトルを思い出しましたww。ペーパーナイフの話とかね。
平田オリザさんとサルトルの組み合わせは、あまりにも似合わないので、少し慌てましたw。
このお芝居のことをブログにあげるか、迷いました。
理由は、私には難しすぎたからです。
21人の女子高生が教室にいて、自ずと複数のグループに分かれて喋りだすわけです。そのいくつかの会話を並行して聞かされ、その台詞が重なり、それぞれ違う所で放たれた言葉の断片に意味を持たせて観客に拾わせる。ある意味、オーケストラのような構造です。
私、女子高生が話す言葉を聞くのが苦手ですw。いやはや、耳が疲れました。そして、全てを理解するには素質がなかったようです。
戯曲自体を読めば理解できるのだと思います。しかし、それでは意味がないw。
ただ単に、観客としての私の感受性が足りなかったのか、歳を取りすぎていたのか。深読みしすぎたのかw。
そういう、私個人のことを別にすれば、面白い舞台。
評価される理由も良く分かります。よく練られた上質のお芝居でした。
フェスティバル/トーキョー09春
SPAC-静岡県舞台芸術センター
「転校生」
演 出 飴屋法水
作 平田オリザ
出 演 静岡県の女子高校生 SPAC
会 場 東京芸術劇場 中ホール (2009年3月26日〜28日)