かろうじて気温上昇を産業革命時点から2度以内にするとの目標は残ったようです。
(20日追記:結局、途上国の反対を受けて全会一致が原則の採択ができず、「合意に留意するという決定を容認」との結論になった・・・)
最悪の決裂は避けられたものの、会議としては大失敗ですな。
問題は、今回も中国。規制されることを拒否したそうです。
また、国際的に監視する仕組みの導入について中国が強く反発。合意を進めるべく緊急に行なわれた首脳による非公式協議にも中国の首相は欠席、協議進展を拒んだようです。
BBCのニュースを見ていたのですが、中国の温家宝首相のスピーチを聞いて驚いた。
端的にいうと、「数値目標は国民一人当たりの排出量を基本とすべき」(今までと同じ論法、人口が多い国には有利ですね)、「温室効果ガスの削減は中国政府が自主的にやるものだ」「他国の削減目標や国際的な枠組みとは関係ない」(やりたいようにするよと、中国は監視は受けませんという訳ですね)。まあ、言いたい放題でした。
で、中国は「単位GDP当たりの温室効果ガスの排出量を基準」にすると言っていて、トレンド換算すると2030年には今の4倍は出すとしています。
中国って、アメリカを抜いて排出量が世界1位の国なんですよね。全体の20%超。こういう国が「この先、自分のところは4倍以上出すけど、先進国は削減しろよな!」と言っているわけです。
中国代表団の副団長は、日本が表明した1990年比で25%削減するとの目標について、「日本に警告する、うぬぼれてはならない」と侮辱的な発言をしたとも報道されています。
まあ、日本の政権与党の幹部が国会議員を多数連れて“朝貢”しているようでは、こういうことをされても仕方ないのかな?
「今は間氷期であり、地球は寒冷に向かっている」「太陽活動を見る限り温暖化はありえない」「温暖化論争は儲け話を語っているだけだ」という人は少なくなっていますね。
今、やれることをやるべき。
二酸化炭素排出低減は、技術的には相当分できると思う。現時点で日本がやっていることを中国やアメリカが同様に取り組むだけで2桁の削減になる。
また、コスト面では大変だけど、根本的なエネルギー転換を図れば、相当分減らせる。
ただ、そう考えない人たちがいるのが現実ですね。
かの国とどう付き合っていくべきなのか、難しいところですね。
20日追記:
「コペンハーゲン合意」を採択できず、“留意する”という結果になったのは、中国とアメリカが決めてしまった内容に他の途上国が反発したため。
特に温暖化の影響をモロに受ける島嶼の国々(海面上昇を懸念)、熱帯地域の国々(目標が平均で2度以下の上昇ということは、この地域は4度以上の上昇になる懸念がある)は、先進国と新興国に対して憤りを持っているようです。