150131 sansaku rogo T.jpg散策しているような日常のなかで、素晴らしいものが見つけられたらうれしい。
そんなことを考えながらブログを書いています。

2010年07月14日

南ア・ワールドカップ 雑感です

100711 Wcup final re.jpg

100711 Wcup mvp.jpgはたして、ワールドカップはスペインの優勝で幕を閉じました。
準決勝のドイツ戦、決勝のオランダ戦ともにポゼッションで圧倒、スペインらしいパスサッカーで魅了してくれた。

大会のMVPはウルグアイのフォルラン。4位にチームから選ばれたのは初めてだそうです。


この大会の大きな特徴としては、システムの均一化。戦術的な部分で多くのチームが同じような志向を見せていました。
特に守備的に入ってボールを奪うと速攻をかけるタイプ。ブロックを作り、網をかけるように攻め手をからみ捕っていく、そして、少ないパス数でゴールに向かっていくチームが目立ちました。
典型がドイツ。強かったですな。
グループステージで南米のチームが結果を出したのも、守備を安定させたからだと思います。
日本も大会に入る直前にブロックを作りアンカーを置く堅守のチームに変換、カウンターのチームに仕上げようとしました。結果的に決勝トーナメントに進めたので、岡田監督のとった判断は一定の成功を見せたと言って良いでしょう。
対して、スター選手に擁したチームは思ったような結果を出せなかったですね。組織的な守備を敷かれ、人数をかけてマークされると、個の力では突破出来なかった。

それでは、こういう守備的なサッカーが良いのかというと、そうではないのでしょう。言い方が悪いかもしれませんが、日本のようなプレースタイルのプロチームがあったとして、入場料を払ってスタジアムに見に来てくれるかというと、それは凄く厳しいと思います。幸いなことに、サッカーファンは勝敗だけを見に行くのではなく、トップレベル能力をもったプレーを楽しみに行くのです。肉弾戦やロングボールの蹴りあいを楽しみにしている人は少ないはずです。
スペインのバルセロナが多くのサッカーファンを惹きつけているのは、スター選手がいるからだけではなく、チームとしてのコンセプトとしてポゼッションサッカーを掲げていて、それを実践しているからでしょう。見ていて楽しいものw。
プレミアのアーセナルも面白いですよね。

ポゼッションサッカーの考え方のひとつとして「ボールを保持している間は失点しない」というものがありますが、一方でカペッロやモウリーニョが指摘しているように「ポゼッションサッカーは大きなリスクを伴う」とも言われます。たしかに高めの位置でポゼッションを取ろうとするとカウンターの餌食になりやすい。
モウリーニョがチェルシーで見せていたのはポゼッションを取っていても守備的なサッカーでした。「ボールを回しながら体制を立て直し、疲労を蓄積させない」「相手にボールを保持させない」ことが大切だと言います。分かりやすいですね。

人数をかけて攻め、人数をかけて守る。今大会のスペインは、DFでさえパス回しにからみ、守備では数的優位を取るためにFWでさえボール奪取に関わっていく。高い技術をもってパスミスが少なく、運動量も多いので、見ていて楽しい。
えてしてパスサッカーのチームは勝ち抜けないのが常套だったりします。堅守速攻型のチームの壁は厚いのです。
そういう意味で、準決勝のスペインvsドイツは興味深かった。この試合では軽快で機能的だったパス回しをもって圧倒したスペインが快勝しました。面白い試合だった。
しかし、違う場面では(ドイツのFWが堅調だったら)違う結果になっていたかもしれません。

日本は、皆さんご存知の通り、決勝トーナメントに進むことが出来ました。
本大会では“日本らしさ”を見ることはありませんでしたが4戦して2勝。大会前の親善試合での苦戦から行った戦術の大転換も結果論的には正解だったのかもしれません。
こんなことを書くと叱られるかもしれませんが、率直な感想としては「日本は、強くないなぁ」ということ。弱くはないけど、強くもない。強豪ではないけど、侮れないチーム。世界を驚かせるには、まだまだ。
デンマーク戦以外では堅守速攻、攻撃は松井と本田の2人に任せていた。このスタイルでは、負け難いけど、勝ちにくい。そしてなにより、面白くない。
FIFAのデータ(FIFAのHP)によると、日本はパス成功率60%で32チーム中最下位の32位だったらしい。これも現実なんだと思う。
ちなみにパス成功率1位はスペイン(80%)、2位ブラジル(79%)。

国際試合では面白さは関係ないかもしれません。勝つことが大事。
準優勝したオランダは、かつて美しいフットボールを標榜していましたが、ファンマルバイク監督が就任してから現実的な路線に転換。美しさよりも勝つことに執着するようになりました。結果として、32年ぶりの決勝戦進出。しかし、決勝戦で敗れた相手は、いま最も攻撃的でファンタスティックとされるスペインでした。皮肉といえば皮肉なことかしら?
32年前、決勝に進出したオランダの中心選手だったクライフが美しくないオランダのサッカーを批判しています。伝統が廃れたと。
しかし、育成世代の指導方針としては過去の伝統にこだわらないとしているらしい。
今大会の結果を見て、準決勝に進んだことで現路線を肯定的に捕らえるのか、スペインに敗れたことで転換を迫られるのか、興味津々です。

そういえば、幻のゴールとか、疑惑のゴールとか、色々あったからでしょう、FIFAがビデオ判定導入に前向きな動きとの報道がありました。
100629 Wcup hand.jpg(← ハンドですよねw)
プロの試合とか、国際試合だけでも導入して欲しいものです。


日本のことに話を戻します。美しいかどうかは別にして、“日本らしさ”というのは見直すべきでしょうね。
オシム監督が南アまで日本を指揮してくれていたらという思いは当然あります。一定の答えを見せていてくれたでしょう。そういう意味でも、突然に後を引き継いだ岡ちゃんは大変だったと思います。ドイツ大会から南ア大会までの4年間は代表チームにとって難しい期間だったかもしれません。前に進んだかに見えたけど、結局、模倣的な戦術にたどり着いたわけで・・・良い悪いは別にして・・・これからのサッカーに先鞭をつけられたかというと、違うような気がします。(おこがましいかな?)
今までのことはともかく、これからは日本選手の特徴を活かせるサッカーを構築して欲しい。それは、ハエサッカーでもないし、堅守速攻サッカーでもないと思う。もちろん、パス成功率が低いチームでもない。ペケルマンやビエルサが目指すものとも違うような気がする(ヒロミ、監督選任は慎重にねw)。
私としては、とりあえず、「弱くはないけど、強くもない」で良いから、日本のサッカーは面白いと思えるようになると、凄く嬉しい。期待したいです。

では、4年後に・・・・・・というのはいけません。
やっぱり、国内リーグが強くて、面白くなければ、代表チームも良くならないんです。スペインの国内リーグしかり。
今週からJリーグが再開します。
サッカーに興味をもたれた方、見ていて面白いと思われた方、是非、近くのスタジアムに足を運んでみてください。Jリーグも面白いですよ。





posted by MOTO at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー全般・2010〜11 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック