150131 sansaku rogo T.jpg散策しているような日常のなかで、素晴らしいものが見つけられたらうれしい。
そんなことを考えながらブログを書いています。

2011年08月16日

クレイジーハニー

本谷有希子さんのお芝居を観たので久しぶりに舞台のことを。

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長澤まさみちゃん、可愛かったです。それに素晴らしい美脚。(嬉しかったww)

<ネタバレがあるので、ご注意を!>
ものがたりは、
作家・ひろみ結城のトークショー。ひろみと編集者がそれぞれの思惑をもってトークショーの2部によばれた熱烈なファンたちにある要求をする。
「この同意書に署名と拇印を押して」と。
落ち目になった作家のひろみのためにと、ファンたちは戸惑いながらも署名をする。
だが、ひろみは・・・・・・というところから始まります。

本谷さんのお芝居は、気持ち悪く捩れまがった精神を持つ主人公が出てきます。今回も然り。
ただし、今回は全員がおかしかった・・・ww。
ひろみのファンに対する鬱屈した感情、ファンのひろみに対する愛情はあるのだが惰性的になった執着。これが相容れないことになってしまう。
ひろみは、告白本出版という(彼女的には)屈辱的な企画を嫌悪し、無礼な編集者を懲らしめようとする。また、“かわいそうだ”“落ち目作家からの脱却の手助けをしたい”というファンの(彼女的には)見下した視線に耐えられない。

本谷さんは、多分、ファンの心情はこうだろうと正直に書いたんだと思われます。それへの苛立ちをひろみに言わせている。がんばってと言われるだけでも腹立たしいし、大きなお世話だと・・・・・・ちょっと、ストレートすぎないか??
登場人物が多すぎてファンの一部の人物像が掴みきれなかったのは仕方ないとして、ひろみの親友のオカマ・マキの人間像というか、あくまでもひろみと一緒にいようとする動機がいまいち見えてこなかったのは残念だったかも。
あと、自意識の強烈さと精神の捩れ曲り方がいつもの本谷作品よりも弱かったかな? それに、ところどころにあった冗漫に感じたにぎやかさというか、騒がしさが本谷さんらしくなかったようにも思えた。

それでも言いたいこと、苛立ちと怒りは十分に伝わってきました。
本谷さんは、普段こんなことを考えているのかもしれないなぁ・・・う〜ん、理解できん。
まあ、本谷さんの考え方は、平凡な私に理解できないのはいつものことなので気になりませんでしたけどねww。

そんなことを考えてしまったお芝居でした。

それと、最後の部分(酷いネタバレになるので書きませんが)、なんだか、古典に出てきそうな自虐行為に唖然としました。

チケットは完売だそうです。キャンセル待ちになると思いますが、気になった方は観てください。ただ、期待は・・・。


芝居とは関係ないのですが、
途中で地震があったんですよ。私はソワソワしたんだけれど、他の観客は何事もなかったように平然としていました。もしかして、私のめまいかしらと思った。
だけど、気象庁のデータをチェックしたら、やっぱ、地震はあった。
地震を過度に怖がる必要もないし、冷静に対応することが重要だけど、周りの人たちが無反応だったのには、少し違和感を覚えました。今、日本は地震多発期に来ています。注意しましょう。


パルコ・プロデュース『クレイジーハニー』
作・演出  本谷有希子
出  演
   長澤まさみ  成河(ソンハ)  安藤玉恵
   吉本菜穂子  リリー・フランキー
   中野麻衣  坂口辰平  太田信吾  札内幸太  池田大
   中泰雅  北川麗  鉢嶺杏奈  加藤諒  清水葉月
会  場  パルコ劇場 (2011年8月5日〜28日)
 (※ 石川、福岡、大阪、名古屋 公演あり)




2010年07月15日

「エネミイ」 新国立劇場

100713 enemi.jpgワールドカップ開催中でも、少しだけウロウロしておりましたw。

で、久しぶりに芝居のことをww。

新国立の演目に新鮮味を感じられなくなっていたので、このお芝居を見に行くか迷っておりました。鵜山仁さんが芸術監督としての最後の公演ということもあり、行くことに。
「人はなぜ戦うのか」がシーズンテーマだった09/10シーズン最後の上演は蓬莱竜太の新作「エネミイ」。
この舞台で、注目すべきはベテラン俳優さん、高橋長英、林隆三、瑳川哲朗、各氏の演技。凄くうまかったです。
この芝居の本が私には合わなかったので、救われましたw。

<ここからネタバレあります、ご注意を!>
ものがたり
主人公・礼司の家庭はしごく平凡。定年間近の父、習い事に熱心な母、婚活にいそしむ姉、そしてフリーターの礼司。
ある夜、そんな家族のもとに父の旧い知り合いだという二人の男が突然やってくる。二人を力一杯もてなす父親。他愛無い昔話に花が咲く宴会。しかし全く帰る気配を見せない二人に次第におかしな空気が流れ始める。家族総出で帰らせようと画策するが、のらりくらりと居続ける男達。
「どうして帰ってくれないんだろう……」
(新国立のHPより)

父親と訪問者である男2人は、学生時代に全共闘で活動していた仲間だったようです。話が進むにつれ、父親は共闘から離脱したもので、男2人は未だに活動を続けていることが分かります。

若い作家があの時代のことをどう理解して、どのような解釈をするのか興味があったのですが、次第に話は31歳でフリーターをやっている息子の社会観に移ってしまった。
父親と男2人の感情に無頓着な母親が“正しい普通人”になっていて、それが作者の常識なんだろうと見て取れた。
男2人に多くを語らせず、父親の生活観も伝わってこない。その代わりに息子の近距離で構成されている生活感と価値観に焦点を当てることで、この家族をモデルにして世代間の相互理解は不可能だという指摘も感じさせられました。
これは、良い悪いではなく、作者の実感なのでしょう。

私はもちろん、この男たちよりもかなり下の世代です。歳はくってますがねw。
それでも安保や三里塚など、反対運動があったことが風化していくのに抵抗感があります。あのような反対運動を肯定しているのではなく、その背景を知っていたほうが良いと思っているからです。
この芝居では、そういうことは重要ではなかったようで、あえて触れなかったような気がします。

見終わったときに、「・・・で??」と言いたくなったのは、私だけなのでしょう。
多分、私の感受性の問題だとは思うのですが、登場人物がステレオタイプ的に見えてしまったのは残念でした。


「エネミイ」
作     蓬莱竜太
演 出   鈴木裕美
出 演
  高橋一生  高橋由美子  梅沢昌代  粕谷吉洋
  高橋長英  林隆三  瑳川哲朗
会 場  新国立劇場 小劇場 (2010年7月1日〜18日)



2010年05月20日

SET タイツマンズ「情熱タイツ」

100515 jonetsu taitsu.jpg先週の土曜日のことですが、出演者が全身総タイツで演じるコメディー、タイツマンズの公演に笑いに行って来ましたww。
チケットは売れ行きがよかったらしいので、当日券目当てだった私は心配だったのですが、なんとか当日券をゲット(見切り席でしたがw)。

4つのオムニバス・コント。いつも通りに、歌、ダンス、コント、タップと盛りだくさん。

久しぶりに大笑いしました。
当日は、午前中にタイフェスティバル、昼からサッカー観戦、夕方からはタイツマンズとちょっと忙しかったww。
でも、大笑いして、元気を貰えました。

ただ、数年前と比べると少し大人しくなったような気が・・・・・・メンバーの皆さんが経験を重ねられたということでしょうか。
来年もやるということでしたので、楽しみに待つことにします。

頑張れ!!


SET タイツマンズ サザンシアターLIVE
全身総タイツ・ミュージカル・アクション・オムニバスコメディー
「情熱タイツ」
出  演
  野添義弘 赤堀二英 白倉裕二 丸山優子 白土直子 良田麻美
  小野真弓 荻野恵理 TETSU(Bugs Under Groove)
  橋本淳 平山佳延
会  場   紀伊國屋サザンシアター(2010年5月13日〜16日)



2010年05月12日

劇団、本谷有希子 第15回公演「甘え」

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チラシに『沈む船だってことに気づいてないのか? 罪の意識なんて持ってたら溺れ死ぬぞ!!
という言葉が。
相変わらず気持ち悪い(失礼)お芝居が見られるのかと期待して、初日に青山円形劇場に行ってきました。

以下、少しネタバレあり。お気をつけを!

母親は、娘が生まれてまもなく父親から逃げてしまっています。心に傷を負った父親。
成長した娘は、未だに毎夜泣き続ける父親から離れたがっている。
その父親に恋人ができ、結婚しようと考える。しかし、娘は父親の恋人の変心を察し、父親から離れてしまうのではないかと心配している。早く父親をその女性に押し付けたい。
ことは思うように行きそうもありません。
娘は、父親からの呪縛から逃れようと根本的な解決を図り、あることをするのですが未遂に終わってしまう。そこから話が始まります。

こう書くと、家庭ドラマみたいですが、全く違いますww。

「夜這い」とか「スーフリ」とか、最近は聞かない言葉がいきかっていましたw。こういう言葉が出てくるような登場人物が、父親に囚われた娘の周りにいるわけです。
舞台上では暴力的なことはしないのですが、父親と娘と関係を持つ男はかなり粗暴です。
父親は娘を脅迫し、男は娘を憎む。
閉塞、依存、不道徳、これらが交錯するわけです。
娘の自意識が正義と罪悪の狭間で揺れ動くというのが話の核になっています。
これがチョット中途半端な感じでした。娘の自我が薄いところは、作者の意図だったのかな?

感想は、なんだか大人しくなってしまったなぁと。本谷さんらしい尖ったところとか、絶望的なドロドロ感とか、気持ちの悪い捩れかたが見えないのが淋しい。
本谷さんが大人になったということでしょうか?
作家も変化していくものです。そういう目で見ると、確かに本谷さんの独自の世界が舞台上にあるのでしょう。

そうは言っても、相変わらず他では見られない舞台があって、相当に面白かったですww。

気になる方は、観ておいたほうが良いと思いますよ。


劇団、本谷有希子 第15回公演
「甘え」
作・演出  本谷有希子
出  演  小池栄子 水橋研二 安藤玉恵 広岡由里子 大河内浩
会  場  青山円形劇場 (2010年5月10日〜6月6日)




2010年04月22日

「ホームカミング」演劇集団円

久しぶりにお芝居のことを。
以下、ネタバレがありますので、ご注意を!

100421 home coming.jpgハロルド・ピンターの本を上演するとのことで見に行って来ました。
現代的感覚の不条理劇をどう見せてくれるのか、期待して田原町へ。
会場は満席。通路までびっしりと観客で埋まっていました。

で、感想ですが・・・・・・微妙でした。

お話は、アメリカからイングランドの街に帰郷した長男夫婦が父親と兄弟、叔父と会うところから始まる不条理劇。妻の変質(故郷に帰って元に戻ったと言うべきか?)と父親と兄弟からの理不尽な仕打ちに、長男の自我が虚脱・・・そして、父親の変化する家庭状況への懐疑、ということになる。
私には、途中からは父親の頭の中での願望的幻想、非現実的な夢だったようにも思えました。
利己の塊のような登場人物が放つ会話が芝居の中心になっていますので、最後の方になると気持ちが悪くなります。そして、その野蛮性からなにかを読み取れるかと言うと・・・難しかったかなww。

まず、台詞が関西弁なんですよ。汚い言葉を使っているのですが、それがわざとらしく聞こえてしまう。関西弁を使わない私には、もともと戯曲にある言葉の遊びが、その台詞からは伝わってきませんでした。
関西弁を採用したのも演出者の考えだったそうです。演出者が大阪出身とのことで、大阪の言葉がシックリきたのかもしれません。しかし、翻訳劇で難しい言葉の使い方が、この舞台でその精密さがあったかというと微妙だったと思います。

あと、ルース(唯一の女性キャスト)が夫の家族に対して突然に大声で汚い言葉を言い出した場面があったのですが、驚きよりも違和感を感じてしまいました。関西弁の会話だと、ああいうことがあるのかしら??

戯曲自体が素直に見ると違和感を持つように作られているから、そういう意味では、ありなのかな? プロの感覚は私には分かりません。

帰り道でのこと、前を歩いていた女性が、
「話のすじは分かるんだけど、結局、“それで、何なの?”と言う感じだったわね」
と話していた。
同感でした。


「ホームカミング」演劇集団円 −小田島雄志訳「帰郷」より−
作     ハロルド・ピンター
演出・脚色 大橋也寸
訳     小田島雄志
出   演
  マッククス ・・・・・ 石住昭彦
  レニー ・・・・・・・ 石田登星
  サム ・・・・・・・・ 吉見一豊
  ジョーイ ・・・・・・ 吉澤宙彦
  テディ ・・・・・・・ 山口眞司
  ルース ・・・・・・・ 朴路美(朴美さんのは、王偏に路。
           ちなみに、「狼と香辛料」のエーブをやっていた方です)

会   場  ステージ円 (2010年4月12日〜25日)
<ものがたり>
ロンドンの下町。そこに巣食ういかがわしい男たちの所帯。
70歳の父親は昔ソーホーの顔役にして、かつ精肉業。63歳の叔父はハイヤーの運転手。
謎めいた30歳代の次男がいて、三男はボクサー志望。
そこへふいに、アメリカから大学で哲学教授をしている長男が深夜に妻をつれて帰宅。
六年ぶりの帰郷・・・
まるで猛獣の檻に投げ込まれた餌の肉塊にむしゃぶりつくように、男たちは女を我が物にしようと争う。
壮絶ないがみ合い。そして言葉の暴力。
(演劇集団円のHPより)