150131 sansaku rogo T.jpg散策しているような日常のなかで、素晴らしいものが見つけられたらうれしい。
そんなことを考えながらブログを書いています。

2009年11月25日

「ヘンリー六世」 新国立劇場

091121 king henry 6 cast.jpg

シェイクスピアの「ヘンリー六世」全3部が新国立劇場で、10月27日から11月23日まで上演されていました。
全3部は、全て上演するとNETで8時間半超。長いです。
3部全てを上演しようという心意気が凄いというか、新国立以外では出来ないだろうとか、奇跡的だよな、などと思わざるを得ないですww。
こういう企画は、そうないでしょうね。

長いので1〜3部それぞれを日を違え分けて上演されていたのですが、期間中4日だけは3部全てを通して上演されました。
私は、通し公演された11月21日に行ってきました。

朝、チョット時間を間違えて、遅刻。駅から劇場までドタドタパタパタと走っていたら、正面玄関のところで、スラッとした女性が颯爽と速歩きで抜いていった。『Shall we ダンス?』に出てた人でした。急いでいる姿がカッコイイ。(私は走っているのに何で歩いている人に抜かれたんだろう?w)
なんとか1分遅れで到着。でも、既に開演してた。(泣)
演劇では珍しく時間とおりに開演・・・通し公演だからか?
演出上、しばらく会場に入れず、ホワイエのモニターを見ることに。『Shall we ダンス?』の女性はモニターを見る姿もカッコ良かったw。そういえば、珍しい公演だったせいか他にも演劇関係者が数多く観に来ていました。

第一部 百年戦争  11:00〜14:00 (休憩15分)
第二部 敗北と混乱 15:00〜18:05 (休憩15分)
第三部 薔薇戦争  19:00〜22:15 (休憩15分)

新国立に11時間以上もいましたw。
第一部と第二部の間に、商店街の蕎麦屋で昼食。第二部と第三部の間にファミレスで夕食。休憩時間にはストレッチ。
・・・こういう興行って、歌舞伎や相撲よりも凄くないか?

話は、百年戦争から薔薇戦争まで。ざっと乱暴に紹介すると、
第一部は、ヘンリー五世の葬儀と六世の即位。ジャンヌ・ダルクの登場。フランス軍の攻勢、そしてジャンヌの処刑と和議。
第二部は、ヘンリー六世とフランス貴族の娘・マーガレットの婚姻。イングランド執政と枢機卿の反目、執政の暗殺。ヨーク公のアイルランド遠征と内乱。ヨーク公の帰還。
第三部は、ヘンリー六世とヨーク公の王位をめぐる対立、薔薇戦争が勃発。ヘンリー六世の変心と王妃マーガレットの参戦。ヨーク公戦死。ヨーク兄弟の反撃と勝利。支持者の裏切り、ヘンリー六世復位。再びヨークの挙兵、完全なる勝利。兄エドワードがエドワード4世として王に即位。そして、弟リチャードの野望・・・・・・(弟リチャードは「リチャード3世」)

凄いことに最後まで楽しめた。最後まで集中して観られたのは奇跡的という訳ではなく、話が面白いのと、演出、役者さん良かったからだと思います。
もちろん、尻は痛くなったけどww。

「ヘンリー六世」はシェイクスピアが20代のときに書いた戯曲。処女作ともいわれていています。史実を描いているのですが、劇らしくエンターテイメントに仕上げているところが素晴らしい。

実は1週間前、あるところで食事をしていたら、村井国夫さんが隣のテーブルにいらした。村井さんの話を聞く気はなかったのですが、役者さんの声は良く通るんですよねw。同席されていた方に「ヘンリー六世」の解説をされていた。
なんだか、得した気分でお店を出ました。
で、村井さんの解説とおり、恐ろしい権力への執着と度重なる裏切りが話を形作っています。人って、愚かしい。

色の違った大旗を使ってイングランド⇔フランス、ランカスター家⇔ヨーク家の対立軸が分かり易いように演出されていた。
衣装も堅苦しい考え方をしない、自由なものになっていました。それはそれでよかったと思う。
今の日本で「ヘンリー六世」を上演する色合いを出す意味は確かにあるのでしょう。笑えるところもありましたしね。ただ、流石に蓄音機が出てきたところではひいてしましましたw。

中嶋しゅう、渡辺徹、村井国夫、木場勝己など、ベテランの役者さんが目を引きました。第一部の木場勝己さん、第二部の中嶋しゅうさんは快演。
女優さんでは中嶋朋子さんが熱演。第三部の柱でした。
3部一挙公演は、もちろん観客よりも演じる役者さん、スタッフさんのほうがより特別なことなのかもしれない。聞くところによると、千秋楽のカーテンコールはオールスタンディングだったとのこと。
GOOD JOB でした。


再演は難しいかもしれないけど、もしあったら、また観に行きたいなぁ。

(投稿以後多少修正しましたw)

091121 king henry 6.jpg


「ヘンリー六世」  King Henry Y
第一部 百年戦争  第二部 敗北と混乱  第三部 薔薇戦争
原 作  ウィリアム・シェイクスピア
翻 訳  小田島雄志
演 出  鵜山仁
出 演
   ヘンリー六世 ・・・・・・ 浦井健治
   マーガレット ・・・・・・ 中嶋朋子
   ヨーク公、ほか ・・・・・ 渡辺徹
   サフォーク伯、ほか ・・・ 村井国夫
   乙女ジャンヌ、ほか ・・・ ソニン
   トールボット卿、ほか ・・ 木場勝己
   グロスター公、ほか ・・・ 中嶋しゅう
   ウォリック伯、ほか ・・・ 上杉祥三
   エドワード、ほか ・・・・ 今井朋彦
   立川三貴 木下浩之 久野綾希子 鈴木慎平 金内喜久夫
   菅野菜保之 勝部演之 鈴木瑞穂 岡本健一 吉村直 水野龍司
   青木和宣 渕野俊太 那須佐代子 浅野雅博 関戸将志  ほか



2009年08月04日

劇団、本谷有希子 第14回公演「来来来来来」

090731 rairaira.jpg

久しぶりに、お芝居のことを。

先週の金曜日、初日に観てきました。
去年10月の「幸せ最高ありがとうマジで!」はパルコの公演だったので、劇団、本谷有希子の本公演は13回公演の「遍路」から1年半ぶりということになりますね。
観た感想としては、“本谷さんも大人になったな”というもの。良い悪いではなく、必然だと思いますが、回を重ねるごとに変化していますね。
人間の強い自意識と捩れた精神を観せてくれるのは、変わっていません。そのあまりにも直截的だった表現が、今回は流れの中で分かりやすく舞台上で展開していました。
終演後、松尾スズキを超えたという言葉が聞こえてきましたが、本谷さんは松尾さんとは違う土俵でやっていると思うので・・・比較するのはどうかな?

久しぶりに面白いお芝居を見ました。オススメです。


劇団、本谷有希子 第14回公演
「来来来来来」
作・演出  本谷有希子
出  演
   りょう  佐津川愛美  松永玲子
   羽鳥名美子  吉本菜穂子  木野花
会  場  本多劇場(2009年7月31日〜8月16日)
  新潟公演 りゅーとぴあ(2009年8月18日)
  大阪公演 サンケイホールブリーゼ(2009年8月21日、22日)
  北九州公演 北九州芸術劇場中劇場(2009年8月25日)



続きを読む<ネタバレあります。ご注意を!>

2009年05月19日

「タトゥー」 新国立劇場

090515 tato.jpg090515 tato 2.jpg

新国立のシリーズ・同世代海外編の最後の作品です。
柴本幸さんと内田慈さんが出演されるので、是非見たかった。(シベリア少女鉄道「スラムダンク」を見てから内田慈さんのファンなんです)

作は、ドイツ人劇作家デーア・ローアーさん。1992年に発表された、ローアーさんの初期の作品。

父娘の許されぬ関係を軸にした愛憎をセンシブルな視点で描かれています。いかにも、ドイツらしい(ある意味イングランドっぽいかも)作風の家族劇。
基本的に会話劇なので、言葉を重ねていく道筋や心理の投影が大事になります。
多分、原作は面白いのだろうと思えるお芝居でした。

残念ながら、この公演、私には合いませんでした。

演出が岡田利規さんだということで、好き嫌いがハッキリするのだろうとは思っていました。話の内容がドロドロしているので、プロデュースとして意図的な狙いもあったとは思います。
間延びした空気、テンポ感のない言葉・・・・・・あの舞台からは、心に残るものが伝わってこなかったんですよね。
翻訳劇をどう見せたかったのかも分からなかった。一方的に岡田色に染めようとしていたところは必要以上に感じましたがww。
毎回言うのもなんですが、岡田さんのお芝居は日本語劇として美しくない。まあ、美しくする必要はないのかもしれませんが、限度があると思う。

多分、感受性の問題なのでしょう。感覚のある方は分かりやすい、面白い演劇だったのかもしれません。

美術は塩田千春さんが担当。新鋭の芸術家なのだそうです。
舞台上には、数多くのドアや窓枠がところ狭しと重なり合って吊られていました。これが重苦しい。
メッセージが十分に伝わってくる“作品”でした。
お芝居よりも、美術のほうがメッセージを放っていたかもw。
ところで、“作品”が低いところまで吊られていたので、2階席の方は舞台奥の部分が見えていたのでしょうか? 見切れてたかな?


2008/2009シーズン シリーズ・同時代【海外編】Vol.3
「タトゥー」
(ドイツ Tatowierung)
作     デーア・ローアー
翻 訳   三輪玲子
演 出   岡田利規
出 演
  ヴォルフガング(父) ・・・・・・ 吹越満
  アニータ(長女) ・・・・・・・・ 柴本幸
  パウル・ヴュルデ ・・・・・・・・ 鈴木浩介
  ルル(次女) ・・・・・・・・・・ 内田慈
  ユーレアーネ(母) ・・・・・・・ 広岡由里子
会 場  新国立劇場 小劇場 (2009年5月15日〜31日)


続きを読む

2009年04月24日

「シュート・ザ・クロウ」 新国立劇場

090422 shoot the crow.jpg新国立劇場の“シリーズ・同時代【海外編】”の第2弾。北アイルランドの作家オーウェン・マカファーティーさんの戯曲「シュート・ザ・クロウ」の上演です。
マカファーティーさんの作品が日本で上演されるのは初めてなのだそうです。
パンフによると、この作品は1997年にアイルランドで初演、2003年にマンチェスター、2005年にロンドンで上演されたとのこと。

物語は、タイル貼り職人4人の会話劇なのですが、作者がタイル貼りの仕事をしていたときに書かれたものなのだそうです。
仕事を題材に、冷たい現実をコミカルに描いたシニカルなお芝居でした。

日本人では、あり得ないようなエピソードがあり、興味深かった。
また、日本人の役者さんが、いかにも白人らしく軽い気持ちで仲間の悪口を言うときの違和感が・・・ww。これは演出の問題だと思うのですが、ちょっと辛かったかな。

作品は、面白かったですよ。(念のためw)

会場にはタイルの展示があって、楽しめました。
また、出演者のサイン入りタイルのプレゼントがあっって、
090422 tyle shoot the crow.jpg←これが抽選で当たるプレゼント。

これ、私、当たったんですよ。
なんだか、凄くうれしいです。得した気分ww。


2008/2009シーズン シリーズ・同時代【海外編】Vol.2
「シュート・ザ・クロウ」
(イギリス Shoot the Crow)
作     オーウェン・マカファーティー
翻 訳   浦辺千鶴 小田島恒志
演 出   田村孝裕
出 演
  ソクラテス ・・・・・・ 板尾創路
  ランドルフ ・・・・・・ 柄本佑
  ピッツィ ・・・・・・・ 阿南健治
  ディン・ディン ・・・・ 平田満


続きを読む<ネタバレあります。ご注意を!>

2009年04月02日

「転校生」

090327 tenkosei.jpg去年、SPAC-静岡県舞台芸術センターで公演されたお芝居をフェスティバル/トーキョーが招き、池袋で再演された「転校生」(作:平田オリザ 演出:飴屋法水)。
良い芝居だというので、見てきました。(映画の「転校生」ではありませんw)

15年前に書かれた戯曲です。
1年前に、この21人の女子高校生のための戯曲をSPAC-静岡県舞台芸術センターが製作するにあたり、静岡県全域の高校へ出演者を募集、オーディションで選ばれた現役の女子高校生たちが出演しています。

ものがたりは、
ある高校の教室に転校生が現れる。転校生の出現が切っ掛けとなり、繰り返される日常に隠された人間の危うさが見えてくる・・・・・・というような内容。
どんな転校生なのかは、ネタバレが甚だしいので書きませんが、人生の遷り変わりとか、終焉だとかを表現するために登場させる人物になっています。(つまり、お年寄り。10代の女の子の集団にお年寄りの女性を転校生として入り込ませた。これは演出家の発想のようです。)

見ていて、ニーチェでもケルケゴールでもなく、サルトルを思い出しましたww。ペーパーナイフの話とかね。
平田オリザさんとサルトルの組み合わせは、あまりにも似合わないので、少し慌てましたw。


このお芝居のことをブログにあげるか、迷いました。
理由は、私には難しすぎたからです。
21人の女子高生が教室にいて、自ずと複数のグループに分かれて喋りだすわけです。そのいくつかの会話を並行して聞かされ、その台詞が重なり、それぞれ違う所で放たれた言葉の断片に意味を持たせて観客に拾わせる。ある意味、オーケストラのような構造です。
私、女子高生が話す言葉を聞くのが苦手ですw。いやはや、耳が疲れました。そして、全てを理解するには素質がなかったようです。
戯曲自体を読めば理解できるのだと思います。しかし、それでは意味がないw。
ただ単に、観客としての私の感受性が足りなかったのか、歳を取りすぎていたのか。深読みしすぎたのかw。

そういう、私個人のことを別にすれば、面白い舞台。
評価される理由も良く分かります。よく練られた上質のお芝居でした。

フェスティバル/トーキョー09春
SPAC-静岡県舞台芸術センター
「転校生」
演 出   飴屋法水
作     平田オリザ
出 演   静岡県の女子高校生 SPAC
会 場   東京芸術劇場 中ホール (2009年3月26日〜28日)