150131 sansaku rogo T.jpg散策しているような日常のなかで、素晴らしいものが見つけられたらうれしい。
そんなことを考えながらブログを書いています。

2008年06月12日

「鳥瞰図」新国立劇場

080611 chokanzu.jpg新国立劇場の『新進作家と異世代の演出家のコラボレーションシリーズ・同時代』のVol.1「鳥瞰図」が公演されています。
初日に行ってきました。

ここのところ、新国立のお芝居が私には合わなくて良い印象が無かったのですが、このお芝居は面白かった。
心に傷を持った祖母、孫娘が失ったものへの惜別と、心理的再生を描いています。
若い作家さんの作品ですがベテランが書いたような落ち着きがあります。物語に無用な斬新さなどはなく、よく練られた緻密な構成になっていました。
なぜ「鳥瞰図」なのかは私には良く分からなかったけど、人と人とのつながりのようなものを鳥瞰的に捉えたといえば確かにそのようなお話になっていました。

大学を卒業され活動を再開した野村佑香さんを久しぶりに見させていただきました。子役のイメージがありましたが、凄く綺麗なお嬢さんになっていて・・・めがっさカワイイ。
目がハートマークになってしまいましたwww。
野村佑香さんが見られただけでも、行ってよかったわ。


新進作家と異世代の演出家のコラボレーション
シリーズ・同時代Vol.1

「鳥瞰図−ちょうかんず−」
作    早船聡
演 出  松本祐子
出 演
  佐和子 ・・・・・・・ 渡辺美佐子
  茂雄 ・・・・・・・・ 浅野和之
  ミオ ・・・・・・・・ 野村佑香
  杉田 ・・・・・・・・ 八十田勇一
  朝子 ・・・・・・・・ 弘中麻紀
  照之 ・・・・・・・・ 浅野雅博
  勇太 ・・・・・・・・ 佐藤銀平
  峰島 ・・・・・・・・ 品川徹
会 場  新国立劇場 小劇場[THE PIT] (2008年6月11日〜22日)


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2008年06月07日

「オットーと呼ばれる日本人」新国立劇場

080605 otto tyt.jpgこの作品は、1941年に発覚した『ゾルゲ事件』を題材にしています。
ゾルゲはドイツ人新聞記者としての表の顔を持つ一方で、ソビエト連邦のスパイとして活発に諜報活動していた人物。共産主義が全世界に広げる夢を持ちながら、スターリンの独裁政権に協力していた。
この『ゾルゲ事件』のもう一人の首謀者、尾崎秀実(ほつみ)は朝日新聞の幹部でした。マルクス主義の信望者であった尾崎は、アジア圏の安定を共産主義革命を基幹とした構想の実現で得ようとしていた。尾崎は共産主義者としてゾルゲに協力し、独裁者スターリンへ情報を提供し続けた。

木下順二が「オットーと呼ばれる日本人」を発表したのは1962年、同年にこの作品が初演されました。
当時は、まだ、マルクス主義への(正確に言うと社会主義体制への)期待を持つ人が少なからず日本にいた時代。スターリンへの協力活動を、純粋に祖国が亡国への道を歩むのを防ぐための活動だったと解釈したい人がいたのでしょう。
この作品を見ると、木下の実存主義的思考も垣間見ることが出来ます。基本的に相容れない共産主義と実存主義が交錯して見えてしまったからか、このお芝居に違和感というか心地悪さを感じました。どうも、私には腑に落ちない。
ハッキリ言ってしまいますが、共産主義にも、実存主義にも、明るい未来はありません。万が一、この作品を見て錯覚してしまった若い人がいたなら、歴史を冷静に顧みることをお勧めします。

080605 otto to yobareru nihonjin.jpgもちろん、尾崎らを人間的な視点から見ることも興味深いと思います。当時、書かれた物を見ると確かに惹かれるものがあるでしょう。
このお芝居をそういう視点から見るのは、意味があるのかもしれない。

前置きが長くなってしまいましたw。
感想は、長かったですww。
上演時間は3時間40分(休憩2回)。私が観た日は終演後にシアタートークが1時間ありましたので、会場を出たのは開演(午後2時)から5時間後の7時でしたwww。・・・疲れた。

疲れた原因は、演出上の関係なのか、登場人物に品が感じられず(台詞回しから立ち居振る舞いまで下品でした)イライラしたこと。
尾崎は近衛文麿政権のブレーンで、社会的に重要な地位にいた人物。そして、行っていた諜報活動を家族にでさえ秘匿し、自らの使命に自信と誇りを持っていたはずです。ここで演じられた人物像には違和感がありました。

会場に行く前は、なぜこの時期に「オットーと呼ばれる日本人」を上演するのかを感じてこようと思ったのですが・・・・・・その意味が分かりませんでした。
主催者の意図が高尚過ぎるのか、私が不明すぎるのか。
う〜〜ん、とにかく、私にはよく分かりませんでした。


「オットーと呼ばれる日本人」
作     木下順二
演  出  鵜山仁
出  演
  ジョンスンと呼ばれるドイツ人
      ・・・・・・・ グレッグ・デール
  宋夫人と呼ばれるアメリカ人
      ・・・・・・・ ジュリー・ドレフュス
  フリッツという名のドイツ人
      ・・・・・・・ マイケル・ネイシュタット
  王  ・・・・・・・・ 北川響
  鄭  ・・・・・・・・ 吉田敬一
  林  ・・・・・・・・ 永島敏行
  青年 ・・・・・・・ 石橋徹郎
  日野 ・・・・・・・ 古河耕史
  オットーと呼ばれる日本人
      ・・・・・・・ 吉田栄作
  その妻 ・・・・・・ 紺野美沙子
  瀬川 ・・・・・・・ 石田圭祐
  その妻 ・・・・・・ 那須佐代子
  ジョーと呼ばれる日本人
      ・・・・・・・ 松田洋治
  南田のおばちゃん
      ・・・・・・・ 田中利花
  ゾフィー ・・・・・ 原千晶
  検事 ・・・・・・・ 清水明彦
  弁護士 ・・・・・・ 鈴木瑞穂
会  場  新国立劇場 中劇場 (2008年5月27日〜6月8日)



2008年05月29日

「恐竜と隣人のポルカ」

080528 恐竜と隣人の.jpg後藤ひろひとさんの新作です。
相変わらず、ナンセンス・コメディー満載のお芝居。
観客も笑に来ている人たちばかりなので、劇場は良い雰囲気でした。面白かったです。
ただ、ちょっと、後藤さんの芝居にしてはカラカラ笑える場面が多くなかったのが残念でした。チケット代も少し高く感じたし(7500円)・・・。
後藤“大王”ワールド炸裂とまでは行かなかったかな?


恐竜と隣人のポルカ
-K/T BOUNDARY- ケー・ティー・バウンダリー
作・演出・出演   後藤ひろひと
出   演
   戸田幸夫 ・・・・・・ 寺脇康文
   戸田千香 ・・・・・・ 水野真紀
   戸田翔太 ・・・・・・ 森本亮治
   熊谷柿一郎 ・・・・・ 手塚とおる
   熊谷亜矢子 ・・・・・ 竹内都子
   熊谷桃子 ・・・・・・ 大和田美帆
   柴栄博士 ・・・・・・ 後藤ひろひと
   TVディレクター ・・・ 兵動大樹
   石野真子 ・・・・・・ 石野真子
会   場    PARCO劇場 (2008年5就24日〜6月15日)

  名古屋  愛知厚生年金会館(6月19日)
  新潟   新潟市民芸術文化会館(6月26日)
  福岡   福岡市民会館(6月28日)
  広島   アステールプラザ大ホール(6月30日)
  仙台   仙台電力ホール(7月2日)
  大阪   シアター・ドラマシティ(7月4日〜6日)



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2008年05月16日

「エンバース」

080515 embers.jpg初日に行ってきました。席が最前列の中央だったのでビックリww。

長塚京三さんが、この舞台をロンドンで観たときに是非やりたいと思ったそうです。ご本人が翻訳までされています。随分と気に入られたのでしょう。

出演者は3人。75歳の男2人と91歳の乳母。
親友が41年ぶりに会って、過去を語りあいます。
しかし、その再会は古い友情を温めるものではなく、復讐にも似た邂逅と詰問でもあったという内容。

地味です。しかし、老人が女性への愛情を悔恨を交えて語る様子は、淡々としながらも深く激しい感情が見え隠れします。

現実が彼の記憶、推理と重なっているのか。現実を知ることが良いことなのか。・・・観客に問い掛けられているような気がしました。
良い作品だと思います。


「エンバース 〜燃え尽きぬものら〜」
原 作  シャーンドル・マーライ
脚 本  クリストファー・ハンプトン
翻 訳  長塚京三
演 出  板垣恭一
出 演
  ヘンリック ・・・・・・ 長塚京三
  ニーニ ・・・・・・・・ 樫山文枝
  コンラッド ・・・・・・ 益岡徹
会 場  俳優座劇場 (2008年5月15日〜6月1日)


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2008年02月20日

「路地裏の優しい猫」


080206 rojiura no ysashii neko.jpg先々週に観たお芝居です。
エジプト旅行から帰って間もないときに観たのですが・・・・・・日本って、平和だよなぁ、と実感させてくれましたw。

お芝居の内容はともかく(笑)、綺麗なお姉さんたちが猫の扮装をして踊ってくれるんですよ。
カワイイです!
私の脳内は、一発で日本モードになってしまいましたw。

キャラメルボックスの大内厚雄さんと猫のホテルの森田ガンツさん舞台をまとめていました。2人がいなかったら、男優陣は総崩れでしたね。
舞台としては、『???』な感じでしたが、綺麗なお姉さんを見せてくれるイベントだと思えばOKかな。
とにかく、軽い心持になれて良かったですよ。(笑)


「路地裏の優しい猫」
作・演出  森岡利行
出  演   大内厚雄 黒川芽以 宮地真緒 佐伯日菜子 街田しおん
       村井美樹 長澤奈央 朝倉えりか
       森田ガンツ 中野雄一 古山憲太郎 増本庄一郎  他
会  場   赤坂RED/THEATER (2008年2月1日〜11日)

(ストーリーなど、演劇的な記述は割愛させていただきます、ご容赦を)



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